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「絆」を聴く

 めずらしきこと。

 大滝秀治文化功労者への選出が決まったことを祝って,ラジオドラマ「絆」を聴いた。

倉島齊:脚本.
須藤辰雄:効果,土居均:技術,松橋隆:演出.(NHK札幌局制作)
出演:大滝秀治,丸谷小一郎,高木孔美子.
初放送:1976-08-28{ドラマ},再放送:1976-10-30/1977-01-19/1989-04-02{ラジオ名作劇場}.
モノラル 40分
1976年度文化庁芸術祭優秀賞.

 「十三のときから男手一つで育てて親子二人きりだってのに,嫁をもらったら親の恩をけろーっと忘れやがって。」
 入退院後に同居するようになった老人と息子と嫁。健康に不安のある老人は性格も屈折してしまい,息子が嫁の言いなりになって自分の財産を奪おうとしていると妄想して嫁いびりを始める。
 嫁は実家に帰ってしまい,親子二人の生活に戻ったが,老獪さはエスカレートしてゆく…
 あまりにもやるせないストーリー,救いのない結末。大滝秀治の「熱演」が悲しみをどこまでも増幅させる。
 ほんとは苦手なんです,こういうドラマ。

 手持ちの録音から,大滝秀治の出演ラジオドラマ一覧。