目ずらし記事

mezalaのブログ

山形の庄内柿

めずらしきこと。

先日,新高梨が食べ終わらないところへ洋梨が届き,先週末からようやく食べ始めたところに,早期予約の庄内柿が早くも届いてしまった。
ここに予約販売の怖さがあるのだ。洋梨はようやく三分の一を食べたというところなので,完全にかぶってしまったのである。
我が家は,毎朝食時に果物をいただくのを習慣にしているのだが,その他の時間帯には自ら進んで果物の皮をむいて食べようとする者がいない。温州蜜柑ですら,テーブルの上に盛っていてもなかなか手が出ないのだ。
果物が好きだった亡父は,毎食後に加えて唐突な時間帯に食べるという習慣があり,仏壇の前には常に林檎やら柿やら蜜柑やら梨やら饅頭が供えてあるのを,毎日毎日もの凄い勢いで食いまくっていた。果物を土産に買って帰れば,ただただ上機嫌なのである。
その亡父がいちばん好きだったのが柿だった。実家には柿の木が何種類も植えてあって,すこしずつ時期をずらして熟れてゆく。膨大な量の柿が成るのだから,それこそ一日中消費してゆかないと木にぶら下がったままうんでしまうのである。だから,あのような勢いで食い続けていたに違いない。あるとき,胃の調子が悪くなって病院にかかったことがある。親父のレントゲン写真を見ながら医師が
「あなたは柿が好きでしょう」
と尋ねた。父が大好きだと答えると,その医師は
「胃が真っ黒になっていますよ」
と父に言った。父はいたく驚いて,そののち一週間だけ柿を絶ったらしい。