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mezalaのブログ

「潮騒の彼方から」を聴く

めずらしきこと。
文化庁芸術祭関係の資料を見ていたところ,2001年にRCC中国放送で制作された「潮騒の彼方から」というラジオドラマが優秀賞を獲得したことを知り,気になって中国放送のサイトを見ていたら,当該録音が直販されているということなので早速購入して聴いて見た。
RCCショップ|CD『潮騒の彼方から』

潮騒の彼方から
三村千鶴:脚本,横山菁児:音楽.
上床直人:効果,箱崎敏行・渡邊康晴・佐伯正則:技術,三村千鶴:演出,大原健嗣:制作.(中国放送
出演:米倉斉加年,永島敏行,片岡めのら,境賢一,野中悦子,高尾六平,室積馨,大塚弘,和田裕,榎本尚士,岡田直子,寺内優,高野翼,石津雅司,笹川貴史,笹川稀子,笹川泰宏,上野隆紘;山原玲子(na). 演奏:旭孝(fl),草刈とも子(perc),小形眞子(pf),篠崎正嗣・山本友重・平澤仁・双紙正哉(vn),馬渕昌子・坂口弦太郎・安保恵麻(va),苅田雅治・堀沢真己(ce);山本直親(指揮).
初放送:2001-11-18T21:00, 再放送:2002-01-06.
ステレオ 60分
芸術祭優秀賞.芸術選奨文部科学大臣新人賞(三村千鶴).
(解説の引用)

 東京の建設会社で働く男、稲葉浩介は、亡くなった親友にかわって、瀬戸内海の漁場改良事業を担当することになり、広島県に出張するが、海で溺れて入院する。入院先で出会った地元の老人、村上徳三との葛藤と交流を通じて、稲葉は、進歩という名のもとに切り捨てられてきたものの大きさに気づく。村上もまた、技術の力を借りなければ再生が見込めない海の現状を認識していく。
 自然と技術革新の対立を軸に、さまざまに姿を変える瀬戸内海の様子を織り交ぜながら、二人の人間模様を描く。

これ以上うまく要約できないので,敢えて引用した。ラジオドラマとしての展開もテンポがよく,民間ラジオ放送局の経営が相当に厳しいなか,これだけの仕上がりの良さはスタッフの並々ならぬ熱意を感じさせると同時に,制作陣の実力というか才能を感じさせるものだ。永島敏行はラジオドラマは始めてなのか今ひとつしっくりこない感もあるが,米倉斉加年の演技はドラマの舞台の上に観客を上らせて見せているような臨場感あふれるものだ。
それにしても,このような地方の放送文化に触れる機会は滅多になく,今回も偶然直販CDの存在を知ったことは幸いなことだった。逆に言えば,より多くの人の目に触れるように Amazon などの流通大手でも入手できるようにして欲しいところだ。(ポイントも付くしね)