目ずらし記事

mezalaのブログ

背広を新調する

 めずらしきこと。
 ふと気が付くと夏が過ぎて秋になり,秋が深まっても夏用の背広を着ていた。さすがに涼しいので厚手の背広を出したら,虫が食っていた。この背広は2ズボンなのに2本とも擦り切れた状態になっていたので,どうしたものかと思っていたところだ。職場では上着を貸与されているため,通常はズボンが早く傷む。通勤時しか背広の上着を着用しないからだ。上着まで傷んでしまっては万事休すである。

 市内のAOKIに赴き,「前回より太ったので一応採寸,昔のリクルートスーツみたいなので,2パンツ,2ボタン」を求めたら,流石に対象はぐっと絞られて選びやすい。型は通常体のAから肥満体のABになってしまった。
 元々一着で済まそうと思っていたが,二着目が千円とあっては二着買わざるを得ない。お店としては業界全体の風潮だし,商品の入れ替えが早くなるという理由もあってそうするしかないらしい。
 二着とも地味で生地が異なるだけの濃紺と暗鼠。さすがに一本は冒険してみようかと思ったが,元々織り柄が強いだけでも敬遠してきたので踏ん切りはつかなかった。



 二着で5万円弱。昔,昔−もう30年も経つが−の学生時代,就職活動用に買った背広が5万ほどもしたことを店員に話し,スーパーマーケットでは一着1万円を切る価格で売られていたりするこの業界も大変だとひどく同情した。同時に,就職から3年程したころ研究所の医師が「この上着1万円だよ」などと言っていたのを思い出した。思えばあの頃から価格破壊は始まっていたのだろう。自分たちは若くて経済観念も乏しく,ダーバンだのタカQだののブランド品を多少無理して買っていた頃だ。
 年齢相応に,もっといいものを買いたいところだが,こちらの懐も厳しいのである。