目ずらし記事

mezalaのブログ

娘の成人式

 めずらしきこと。

 幾多の光陰があったのかなかったのか,ともかく娘は成人式を迎えた。(地元の自治体主催の式典は前日だった。)
 二十年前の大晦日に妻の子宮からなかなか出てこようとしなかった娘は,親の手を離れているのかいないのかよくわからないところがあるのだが,式典に集まってきた娘の同級生たちを見ると,いかにも大人の顔をしているようにも思われる。
 なかには,「何処のバーのマダム?!」的な物凄いのもいたりするのはご愛嬌として,振袖を着て化粧をしてしまうと,小中学校で見かけたときの雰囲気とは全く違い,誰が誰やらわからなくてちょっと寂しい気もするのだが,それはともかくまことに目出度い風景である。
 一方で,男子どもは「何処のチンピラ?!」「何処の売れない演歌歌手?!」といった装いばかりで,およそ成人式なんてものは女の子だけ集めてやればよさそうなものになってしまっているようなのだ。
 思えば,自分は家を離れて地方の学校に行っており,学校のあった市から成人式の招待状などもらったのだが,知らない人ばかりの成人式に出るわけにもいかず,後日記念品だけもらったような気がするが,それがどんな品物だったかも忘れてしまった。妻も,晴れ着を作らないかわりに英国でホームステイをするための費用を親から出してもらったり,成人式当日に親戚の不幸があったりした関係で出席していないという。
 なんだかんだ言っても,地元で同級生に再会する歓びを味わえるのが一番なのだろう。
 娘は式典から帰ってくるなり,さっさと振袖から普段着に着替え,髪をほどき,化粧を落として,夕方に公式の同窓会には行かずに部活関連の親しい同級生だけで集まり,夜中までカラオケをして帰ってきた。成人したくせに,「門限は何時?」なんて訊いてくるところが,まだまだネンネなのである。