目ずらし記事

mezalaのブログ

長崎は今日もハレだった(7/29) その1

 めずらしきこと。
 第2日目の朝は雨であった。朝食バイキング会場の窓の外はとうとうと雨水が流れ落ち,予報どおりの天候である。
道標



 車を昼近くまでホテルに置かせてもらうようフロントで交渉し,車に荷物をつめて徒歩で出発。この時は雨が止んでくれていた。道標を見ながら,友部正人の名曲長崎慕情の一節から想像していたオランダ坂とだいぶ差があることを思った。まずは反対方向の孔子廟へ向かう。
孔子廟

 孔子廟で跪拝のまねごと。孔子廟そのものは特別大きな建物ではないが,後方の中国歴代博物館が意外に立派で内部も比較的広く,後漢期に先進的な天文学上の成果を収めていた中華民族の叡智に改めて驚かされる思いだった。土産物の売店で,扇子を探す。論語などの一節を隷書でしるしたようなものを探したのだが,類する物は般若心経にふりがなを付したものしかなかったのでがっかりして見るのを止めた。
長崎港

 孔子廟を出ると,さきほどまでどんよりしていた空が一転してカンカン照りになっていた。自宅を出る時にさして濡れていた傘を出し,日傘のかわりにさしていたらあっちゅう間に乾いてしまった。(結局自宅に戻るまでその傘が再び濡れることはなかったのである。)
 カンカン照りの中をグラバー園に向かう。グラバー園は長崎港を見下ろせる高台にあり,エスカレイタとエレベイタを使って登ってゆける。
グラバー園の鳶

 晴れた空を鳶がピエオレロレロとさえずりながら舞っている。と思ったら,すぅぅぅと降下して近くの屋根に舞い降りた。小柄とはいえ孤高の猛禽の姿は美しい。(それに比べ群れをなす禿鷹の醜さはどうだろう。)
 グラバー園を抜けると,土産物屋の立ち並ぶ坂がある。何故か石ころ館に妻と娘が入ってゆく。前日のテレビ番組で風水師からえなりかずきが貰って財布に入れたシトリン石というのを探す。さほど有名でないのか,説明がありきたりだが確かに売っている。しかしゴツゴツした石を財布に入れるという行為そのものが美しくないので,購入には至らなかった。
 坂道沿いを埋めている土産物店の表に立っている奇麗どころを眺めつつ,次にびいどろ屋をひやかす。どこにでもありそうなものが多く,これぞ長崎と思えるものは吹いて音を出す玩具くらいで,買って帰ったから何なんだ…という感じがする。
大浦天主堂

 坂の途中にある大浦天主堂に入るが,歴史的背景を知らない者にはその歴史的な価値もわからなかった。何かしらパネル説明でもあればよかったのだが…。
 結局この道沿いの店はまるで魅力がない。売られているカステラの類も一様で,おそらく全国に土産物を出荷している大会社の個性のないものばかり。
 さらに坂を下りきった駐車場の前で「チリンチリンアイス」の屋台をみつけた。炎天下を歩いてきたため,さっそく貰うことに。黄色い花がコーンに咲いた。
 チリンチリンアイスをなめかじりながらホテルに戻り,車を引き取った。フロントから裏側の駐車場へはレストランの店内を突っ切ってゆく格好になる。昼少し前だったので客がほとんどいないとは言え,なんだかバツがわるいものである。