目ずらし記事

mezalaのブログ

イラガ大発生の予感

 めずらしきこと。

 気が付くと,庭の牡丹の葉がちりちりと酷い状態となっている。妻に訊くと,毛虫がいたみたい…と過去形だったので確かめもしなかったのだが,蜘蛛の巣に新しい糞が落ちているので葉の裏を確かめると,糞の主は何とイラガの幼虫であった。
 イラガの幼虫と言えば思い出すのは柿の木で,実家に柿の木が多かった頃はよく刺されたものだった。柿の実が熟すころになると,成長したものは緑と茶の警戒色のようになって目立つのだが,種類が違うせいなのかずんぐりと太った形状のものが多い。
 子どものころ最初に刺されたときは,蜂に刺されたような鋭い痛みのあまり,七転八倒した記憶がある。地方によって呼び名がいろいろあるのだが,母は「オサソリ」と呼んでいた。もちろん蠍からの派生である。「アナタの地方では、イラガの幼虫のこと、何と呼んでますか?」にあるとおり,とにかく山のように呼び名があるらしい。


 葉の裏に吸盤で張り付いているのをトング(炭挟み)で掴んで引き剥がす。そのときもただ引っ張ればいいというわけではなく,剥がしたときの反動で他の葉の裏にいる奴に刺されないよう,少し捻りながら慎重にしなければならない。炎天下の作業には向かない作業である。大汗をかきつつ数十匹を駆除したが,掴みきれずに落ちた奴が後から後から牡丹の幹を上ってくるのには閉口した。落ちたところでおとなしく蟻の餌にでもなってくれればよいのだが,蟻は生きた毛虫は襲わないらしいのだ。役立たずである。油虫とよろしくやっているくらいだから,虫同士の共生の姿がそこにあるのだろう。
 忌ま忌ましい話である。