愛のメモリー(何)
娘がこのところパソコンが遅いといっては不機嫌だった。起動も終了も数分かかってしまうほどだというので,やれデフラグしろだの,WinFAQ読んで勉強しろだの言っていたのだが,どうやら根本的な問題だと判明。
娘のPCは中学2年の時に買ってやったものである。かれこれ5年ほど使っているわけで,さすがに昨今のマシンのスペックには比べようもないのだが,日立のビジネス用マシン特有の堅調で無骨な作りはなかなか悪くないと思われたのだ。女子向きのデザインとはとても言えないが,最初にパフォーマンスを上げる手立ては尽くしておいたので,本人はそれなりに気に入っていると言っていた。
しかしながら,この数ヶ月の動作といったらモッサリモサモサという感じになってしまって,さすがの娘も半ばキレかかっているように見えたのだった。
5年も使えばゴミも溜まるであろう。そう考えてもう1段階パフォーマンスを上げたろかいと思ったが,スタートアップには余計なものは何一つなく,メニューの反応などは窓の手で最速にしてあるし,インストールされているソフトウェアも削れそうなものは見当たらない。おかしいなぁ…と思ってシステムのプロパティを確認してみると,驚いたことに物理メモリが240MBしかないと表示されているではないか。げげっ,メモリが1枚いかれたかと思って裏蓋を開けてみると,何と256MBが1枚刺してあるだけ。OSはXP proなのだが買った当時はごく当たり前の構成だと思っていたのだろうか,忘れてそのままになっていたのである。
早速,職場の近くに去年できたショップで調達。もしかするとPC2700なんて置いてないかもと思っていたのだが,運良く1枚だけプリンストンの1GBが置いてあった。綺麗な若い店員はひどく申し訳なさそうに価格を告げてくる。それはそうだろう。近ごろは1GBあたり1000円程度が相場なのに,税込み7,350円である。思わず「中古のがらくたなんてありませんかねぇ」と言いかけて,すぐにいやいや冗談と手を振った。
一発で速くなった。元から入っていた256MBは足を引っ張るだけだから,そのうち1GBだけにしてしまうのが正解のような気がする。
娘の曰く。「きゃあ,ものすごく速い。速すぎてなんだか笑えてきちゃう。」
はいはい。5年もよく我慢したね。