目ずらし記事

mezalaのブログ

下戸の女房

めずらしきこと。
そんなわけ(何)で柚子ハイボールの処女作を作成したわけであるが,サントリーの角瓶におまけで付いていた炭酸水を冷やしておくのを忘れて,氷がどんどん溶けていってしまい何だかわからない飲み物になってしまったのだが,柚子ハイボールは最高にうまい!
カボスやスダチと違って柚子は熟してから使うものという先入観があるわけだが,この季節の青い柚子でもなかなかイケるのである。むしろスダチよりのまろやかな具合である。
ところが,飲み始める前に「ツマミ」の類がないことに気づいた。夕食までにはまだ小一時間あり,おかずを流用することができない。夏に旅行した東北で買ってきた漬物も悪くはないのだが,ちと辛すぎてあまり多くつまめないのである。そこで妻にツマミになるようなものがないか訊いてみると,
「魚肉ソーセージがあるじゃない」
ううむ,松重さんなのか…。
ここで解説しよう。「松重さん」とは,俳優の松重豊さんのことである。2009年に山田太一脚本のドラマ「ありふれた奇跡」の劇中で,毎回のように冷蔵庫からソーセージを出してかじるシーンがあり,それがひどく印象的だったので魚肉ソーセージを丸かじりすることを我が家では「松重さん」と称しているのである。
普通の酒呑みのいる家庭では,亭主が夕飯の食卓につくと何も言わなくとも女房がツマミをまず用意するものであろう。それなのに松重さんか,松重さんなのか。
結局,本日の酒のつまみは魚肉ソーセージと相成ったわけである。下戸の女房はかくの如く晩酌に対する配慮を一切しないものであることがよくわかった。