目ずらし記事

mezalaのブログ

地サイダーの不思議

 めずらしきこと。


 この四月に職場がかわり,異動に際して「変なお菓子の会」の会長に地サイダーを2種類もらっていたのだが,勿体ながって冷蔵庫に大事にしまっておいた。あまりいつまでもしまっておいて突然感想を訊かれても困るということもあり,いつの間にか賞味期限を過ぎているという事態になるのもよろしくないので,暑くなってきたこともあるので飲んでみたのである。
 まず,小豆島オリーブサイダーであるが,なんと言うてもラベルが上品である。飲んでみると,あまりオリーブの強いという味でもなかったのだが,やはり香りがオリーブである。それも,「アレッポの石鹸」の香りである。サイダーが石鹸のような香りというのも微妙であった。この感想は,サイダーの評価としては決して好ましいものではないであろう。だが,一度感覚に石鹸がインプットされてしまうと,もはや石鹸である。アレッポを使っていない方には,どのような印象になるのであろうか。ちょっと不思議な味と香りである。
 そして,静岡茶コーラである。厳密に言えば,サイダーではないのだが,見た目の透明感からとてもコーラというのは納得できるものではない。しかし,飲んでみると確かにコーラの味なのである。
 考えてみれば,コーラの色は着色料として使用されるカラメルの色である。だが,それ以外の原料はメーカーにより様々で,製法ももちろん公開されてはいない。以前,CFでコーラの原料となる乾燥香辛料の映像を流していたこともあるが,得体のしれない気味の悪い乾物ばかりという印象で,それがむしろコーラの味の神秘性を増幅しているとも思われるのだ。
 もっとも近ごろはコーラのレシピが「オープンコーラ」として手に入る。柑橘類の皮が由来のオイル類とかシナモン,バニラ,ナツメグなど,香辛料としては馴染みのものばかりである。
 さて,そこに香辛料ではない「茶」が入るわけであるが,決して口に合わないというほどでもないものの,また飲んでみたいかと問われると微妙というところである。
 「変なお菓子の会」からもたらされたことを考えると,会の面目躍如であることもまた確かなことなのであった。(合掌)