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「野に下る右近」を聴く

 めずらしきこと。
 本日は劇作家・田中千禾夫の命日である。多くの戯曲を書く一方で,ラジオドラマも色々と発表している。代表作「野に下る右近」を聴いてみた。

野に下る右近
田中千禾夫:脚本,湯浅譲二:音楽.
沖野瞭:演出.(NHK東京)
再制作放送:1966-04-20{FM名作劇場}, 再放送:1982-12-19{R2ラジオ名作劇場}, [初放送:1954-07-02].
モノラル 50分
出演:露口茂北村和夫,川口敦子,加藤嘉,山崎里子;今福正雄(今福将雄),小瀬格,江角英明,伊藤浩一;劇団青芸三期会.狂言三宅右近
演奏:湯浅譲二NHKサロンアンサンブル,東京混声合唱団.
 織田信長荒木村重の間で苦悩するキリシタン大名高山右近が,忠義の道をパーデレ(神父)と論争したり,屈託のない侍女との対話を通じて,戦をさけるために大名の地位を捨てる決意をするまでを描く,群読を多用した異色作である。
 敬虔なカトリック信者である田中千禾夫だからこそ書ける本である。
 パーデレ役の加藤嘉が素晴らしい。砂の器など老人役しか知らず,ここでも年配者の役なのだが,凛として高貴の香り高い演技に徹している。