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mezalaのブログ

熊野古道をめざす旅(8/26) その1

 めずらしきこと。

 海上にある中の島ホテルを小さな連絡船で後にする。
 中の島ホテルは島の上に建っているというわけではなく,海岸に突き出して建っていて,環状の廊下の外周に部屋があるという不思議な形状をした建物である。他所の家に行くと隠し扉などを開けたがる妻が廊下の内周の障子を開けると,コンクリートで固められた崖が切り立っている。かつて海軍の施設であったなど想像を巡らせてみた。
 案内所から離れた駐車場までバスで送ってもらえるはずだったが,一緒に船を降りた集団とついつい歩いてしまって置き去りにされてしまった。まぁ,歩けない距離でもないし,温泉街の風情をたのしみながらしばらく歩く。


 旅行三日目にして,ようやく熊野である。と言っても,歩くのは超初心者コースの大門坂から那智の滝まで。あまり大きな顔をして熊野古道を歩くなんて言えないのだ。
 紀伊勝浦から20分ほどで大門坂駐車場に着いた。車外に出た途端,まだ9時を回った時間帯だというのに日光が鋭く肌を突き刺す。少し歩き出してから慌てて車に戻り,昨晩の風呂で使って湿っているタオルをバッグから取り出して首に巻いた。


 駐車場の出入口に杖に使うための竹棒が置いてあり,使用後は元の場所に戻すよう書いてある。却って邪魔になるような気がしたので,体力に自信のない娘だけが手にして大門坂に向かう。中高年のハイカーがにぎやかであるが,伊勢で見たようなDQNな連中はひとりもいない。