目ずらし記事

mezalaのブログ

ひとりで

かなしきこと.
昨日,先月末まで部下だった男性の訃報が突然届いた.

昨日は,あまりにも突然で,実感がまったくわかず,年度末に体調を崩していた彼に辛ければ当番を代わるから言ってくれと言ったのが最後の会話だった.もしも,もしもあの時,当番なら代わるから休んで病院に行けと言っていれば,こんなことにならなかったのではないかと思うと,悔やんでも悔やみきれない.年度末を迎えて他の職員がひどく忙しくしていたので,きっと言い出せなかったのではなかったか.

まだこれからという時に,春に背いて逝ってしまった.

昨日は実感がまるでわかずに,笑い話のようなエピソードばかり思い出していた.彼が新人として赴任してきたとき,所謂教育係としてブックモビルの運営を指導したのが自分だった.大学院出たてでいつまでも学生気分が抜けずに夜更かししていて,巡回コースを覚えようという気もなく助手席で居眠りばかりしていたり,運転をまかせると秩父の荒川沿いの幹線道路をほとんど居眠り運転していてセンターラインをふらふらと越えていくので助手席で死ぬような思いをしたり,そんな情けない思い出ばかりが浮かんだり消えたり,成人として考えられないような食生活を続けているのに,近ごろになって最近流行りの断食ダイエットを重ねて時代がやっと自分に追いついてきたかと自慢してみたり,病気になっても病院にも行かずいつまでも咳をしながら自分は癆咳だとひとの心配をはぐらかせてみたり,そんなことばかり思い出して,ばかなやつだとしか思えなかった.

今朝になって,今朝は同じことを布団の中で思い出して,思い出して涙が止まらなかった.

彼は,いつもひとりで何かと戦っていた.ただ独りでたたかっていた.そしてただ独りで逝ってしまった.