目ずらし記事

mezalaのブログ

梅桃が成る

めずらしきこと。

繁るままにしておいた梅桃(ゆすらうめ)の葉に隠れて実が成っていた。
上空からは全く見えなかったせいか今年は鳥がやって来ず,程よく熟していたのを収穫した。
この梅桃の木は母が勝手に植えたものである。自分の父母はまったく勝手な人たちで,世帯を別にしているにもかかわらず,気に入らない木は勝手に伐ってしまうし,勝手に植えたりもする。そのうちの一本だ。
さして甘くもなく渋みのある実なので,このような果実を喜んで食うような人はいないのであろうが,自分が子供の頃は実家の梅桃に実が成るのが楽しみだった。美味しい菓子などほとんどない時代である。お八つといえば胡瓜に味噌をぬって食うような時代の話である。学校から帰って,母が採っておいてくれた梅桃の実を茶碗いっぱいも食べたことがあった。そんなことを思い出しつつ,植えた母の思いを改めて考えてみる。
ところで,桜桃(さくらんぼ)は水に弱いということをつい先日聞いた。おそらく梅桃も同様であろう。それなのに収穫後すぐにすべて水洗いをしてしまった。桜桃もそうだったが,梅桃も水洗いをしてしばらくすると,一部がふやけて白く変色し,いかにもまずそうになってしまう。食べる分だけ,食べる直前に洗うべきだということに,ようやく気づいた。もう遅い。