目ずらし記事

mezalaのブログ

飼い犬を洗う

 めずらしきこと。

 我が家の飼い犬マーコは冬の間一度も身体を洗っていない。いや,犬が自分で洗うわけはないので,もちろん飼い主の怠慢であるのだが,寒い時期に全身を濡らしてまでやりたくないのも人情である。彼女(この顔で雌である)もさぞ薄汚れて犬らしい匂いを漂わせている身体に満足だろう。
 しかし,市による狂犬病予防接種は今週末に控えているし,獣医に見せて八種混合予防接種を受けなければならないため,久々に洗ってやることにしたのである。
 マーコは洗われるのがひどく嫌いで,洗っているうちに心臓がバクバクして一生懸命に逃れようとする。狭い浴槽の洗い場の壁に沿ってどこまでも回り続けるのだ。それを抱えて洗わなければならない。なかなか重労働なのだ。ちょっと気を抜くと,身体をブルブルッと震わせて水気をはじき飛ばそうとするので,そういう兆しがあれば抑え付けなければならない。
 まだ寒さが残っているので,お湯のシャワーで流してやると毛の間にこびりついた泥が流れて,足元に泥水がたまる。そこにポロリと落ちてきた直径10mm弱の丸くて黒い物体。犬の血を吸って生きているダニである。熱い湯をかけられて思わず叫んだのであろう。ふふつう引っ張っても簡単に離さないほどガキッと食いついているのだが,川面に映る肉を咥えた犬を見て吠えてしまって肉を落とす犬とまぁ同じレベルと言えるだろうか。(いや言えない)
 洗ってやったら,さすがに毛並みがふわふわしてセーターの匂いがする。