目ずらし記事

mezalaのブログ

飼い犬のオムツを作る

めずらしきこと.
我が家の飼い犬マーコは,ペット里親会から譲ってもらった元野良の雑種犬である.
昨年の秋,長寿犬飼育者として市役所から表彰された.なんと飼い始めて15年なのだという.膣にできた腫瘍を切除しているなど,とても長生きするようには思えなかったのだから驚くべきことである.
さて,そのマーコだが,朝晩の冷え込みが強くなってきた頃,身体を傾げて涎を流しながらくるくると同じ場所を回り始めた.明らかに平衡感覚を失っているのだ.片方の目の瞳孔も開いたままである.妻が動物病院に連れていくと,前庭障害という診断であった.
注射や点滴など,およそ元野良にはもったいないくらいの待遇をうけ,暖かい室内で面倒を見るよう言われた.もともと野良で何の躾もしていない老犬を室内で飼うというのは,ほとんど無謀な行為と言ってよい.スーパーワイドサイズのペットシートを連結して敷いてみても,躾をしていないマーコが特定の場所で排泄するはずがない.どこでも好きなところで垂れ流しである.とても人間が生活できる状態ではなくなってしまうので,オムツをはかせることにした.
ペット専用のオムツも市販されているが,ほとんどは小型犬用で求めるサイズがないため,人間用のはかせるオムツに尻尾を出す穴をあけることで代用することにした.実際,ペット専用よりも人間用のほうが一般に性能が高いと思われ,コスト的にも有利だ.そもそもペット用となると需要が少ないので,ネット通販でないと買えないということがボトルネックでもある.

まず,尻尾の位置に当たるだろうと思われるところ(皺と見分けがつかないが,赤い楕円の中)に,横の切込みを入れる.幅はクラフトテープのサイズである.厚手なので,かなり力を込めないと切れないから,はずみで怪我をしないよう注意が必要だ.


8cm程度に切ったクラフトテープを,人差し指,中指,薬指の三本の指を並べた上に貼って持ち,オムツの内側から切り込みの外にその半分を出して貼り付ける.高分子ポリマーの吸水材が飛散しないように,切り込みが下に向かないよう気をつけて丁寧に作業する必要がある.


横向きの切込みの中心から上へ,垂直の切込みを入れる.これによって二等辺三角形の尻尾穴になる.


二分の一の三角を外側に折り,吸水材がこぼれないよう端を覆うようにクラフトテープを貼り付ける.三角形の頂点部分でクラフトテープが重ならないように,ギリギリのところに貼る.


反対側も同様に貼り付けて完成である.三角形の底辺部分がうまいこと肛門部分を覆い隠し,しかもクラフトテープが内側に折り返してあるため,糞が穴の周辺に付着しなくてすむ.


オムツを装着した状態.尻尾を三角穴に差し込むのがなかなか厄介だが,尻尾の骨の先端を探って出すようにすると簡単だ.人間用のオムツは赤ちゃん用,成人用,色々なサイズがあるが,最初に試した介護用オムツは大きすぎ,小便の重みで脱落してしまうことがある.中型犬には通常の赤ちゃん用だと小さすぎるのだが,「ビッグより大きいサイズ」(どんなデブな赤ちゃんだ)のムーニーマン,女の子用で落ち着きそうである.