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mezalaのブログ

「キャパになれなかったカメラマン」を聴く

めずらしきこと。
5月25日は,戦場カメラマンのロバート・キャパの忌日である。キャパ本人を描いたラジオドラマはないが,キャパを目標に前線に飛び込んでいった戦場カメラマン・平敷安常の自伝のラジオドラマ化されたものを聴いた。

キャパになれなかったカメラマン〜ベトナム戦争語り部たち
平敷安常:原作,原田裕文:脚本,渡辺博也:音楽.
石川恭男:効果,糸林薫:技術,望月良雄:演出.(NHK東京)
出演:坂上忍津嘉山正種山本太郎安達祐実,村田雄浩,矢崎滋,三田和代篠井英介;他.
前編:初放送:2010-09-11T22:00,再放送:2011-05-07T22:00
後編:初放送:2010-09-18T22:00,再放送:2011-05-14T22:00
ステレオ(サラウンド) 50分
あらすじ(NHKサイトから):ロバート・キャパに憧れてベトナム戦争の前線にとび込んだ日本人カメラマン、平敷安常氏の半生をドラマ化。命を省みず戦場を撮影しまくり次々と特ダネをものにする平敷。戦争報道に確固とした動機と志を持つジャーナリストたちとの出会いの中、成長を遂げていく。著名なカメラマン沢田教一も、胸襟を開いた。プロ同士の会話、交流。しかし戦局は、隣国のラオスカンボジアを巻き込んで拡大し、より深刻な危機にあった。平敷は、次第に、戦場で生き残った者の罪の意識にとらわれて行く…。戦争の真実、そして報道の使命。国家が、人間が、そしてジャーナリストすらが、奥底に潜め持つ「征服欲」の残酷な正体を、ドキュメンタリー・タッチで描く。

傑作である。ラジオドラマでなければできない表現にあふれている。目はそむけることができるが,耳を塞ぐことはできない。そこは戦場だからである。